独断解説の嵐

Rain

Rain
作詞/IntoGroove 作曲/Peter Bjorklund・Joel Eriksson

2005年のアルバム「ONE」の収録曲です。
このアルバムから、メンバー個々のソロ曲が設定され始めたそうです。
この曲は、リーダー大野君の曲。

ふだんの、ほんわか、ふんわりしたキャラクターとは打って変わって、
キリリと張りつめた声で、悲しい恋を歌います。

曲の途中で、主人公の雄たけびのような、フェイクがあるのですが、静かな怒りを込めて泣くような一声は、ストーリーにぴったり。情感たっぷりに聴かせてくれます。

歌詞の主人公が乗り移ったかのような、豹変ぶり。
「ギャップ王子」と誉れ高い(?)彼ならではの、面白みがあります。

とても意味深なストーリー。
省略した表現の多い歌詞なので、すこし細かく解説します。

では、歌の世界をのぞいてみましょう。
歌詞はこちら



===========================
雨の音が響く。受話器のむこうの君の声が、消えた。
『君は、今、誰といるの?』
そう尋ねても、理由を言わずに、僕に『好き』という。


雨の音でかき消されるくらいの電話の向こうの彼女の声。
けしてはずむような声ではないことが、伝わります。
質問をしても、それをスルーして「好き」とごまかす彼女。その裏に秘密の気配を感じている彼の様子です。

君が唇を、僕の唇に重ねる。 僕は気持を抑えて、そっと君を抱き寄せる
あとに続く歌詞から想像すると、嫉妬に狂っているその気持を、ぐっと抑えて、君を抱き寄せるよ。ということかと思いました。でも、彼女は今は、彼の前にいるわけではないので、記憶を思い出しているのかもしれません。

ねえ、今、僕はあきらめたくないんだ。これは、ただの始まり。
君の香りが、そう、頼り
ねえ君、なぜ、僕らはあきらめてしまったの? これはただの始まりなのに。
一人、危ない目で 僕は、走り出す。


何が始まったのかは、歌詞でははっきりとは言及しないのですが、
彼女にとっては終わったつもりの恋でも、彼にとってははじまりらしい。 

 I Don't Wanna Give Up.This Is Only The Beginning
 (ねえ、今、僕はあきらめたくないんだ。これは、ただの始まり。)
 Why We Gonna Give Up? This Is Only The Biginning
 (なぜ、僕らはあきらめてしまったの? これはただの始まりなのに。)

二人の関係について、「僕(I)」はまだ諦めたくないのに、「僕ら(We)」は諦めムード。
つまり、僕は諦めてなくても、彼女のほうは諦めているという二人のギャップが示唆されています。

そして、This Is Only The Biginning。
悩みすぎて、苦しすぎて、ストーカーのようになってしまった彼が、「さあ、これからだよ」って言ってるようなシーンです。

雨の後に(僕の心に)届く、”沈黙の密告” ガラスの割れる音。
君は、今、どこにいるの?
このまま待っていれば、君は僕の元に来るの?


ここも省略が多いので、拡大解釈を含みますが、、、
「squeal」は、密告とかたれこみという意味。「沈黙のsqueal」ってことは、誰かが密告してきたのではなく、シーンとした心の中で、妄想の断片がつながり、秘密の全容が理解できてきた。という感じ。
冒頭の電話を切ったあと、なにか心に思い当たったのでしょうか?
「ガラスの割れる音」は恐らく、心象風景。心が粉々になる描写かもしれません。

ポケットを探る。この手の中に、危険なものをもつ
(愛こそすべてだ。君を待ってたんだよ。わかるだろう?)


え?え?ポケットに何はいってんの?! って思いますが、「危険なもの」が何かは、最後まで明かされません。
ナイフのようなものかもしれないし、ただの比喩で、復讐とか恨みといったよくない気持を表しているのかもしれません。

ねえ、今、僕はあきらめたくないんだ。これは、ただの始まり。
君の香りが、そう、頼り
ねえ君、なぜ、僕らはあきらめてしまったの? これはただの始まりなのに。
その向こう側まで 僕は、走り出す。


「その向こう側」が何かは明言されていませんが、前後の歌詞から、「危険なものをもって、危ない目で走り出す」側ですから、越えてはいけない一線というか、危ないダークサイドのようなものかと思います。
まあ、思い詰めて彼女のもとへ急いでしまった姿でしょうか。

赤いルージュがついた飲み残しのグラス。
心に刺さるような 痛みを残して、、、、ああぁぁぁぁ!


雨がふって電話して、、雨がやんで、、、っていろいろな事している位の時間がたっているのに、彼の目の前には、まだグラスが放置されているわけです。
彼女のいた気配を消したくないので、置いていたのかもしれませんね。
でも、心が壊れた今は、グラスをみても痛い気持ちになるだけ。 
で、雄たけび、、、わーーーー!

ねえ、これはちょうど、始まり。これはゲームじゃない。
これは、ただの始まり。誰も愛しちゃいないんだ君は。
これは、ただの始まり。僕の気持ちは、君に届かないさ。
(これは始まり。これこそが、スタートだ。)

ねえ、今、僕はあきらめたくないんだ。これは、ただの始まりだから。
君の香りが、そう、頼り。
ねえ、君、なんで僕らは、諦めたんだろう? これは、ただの始まりなのに。
一人危ない目で、走り出す


==============================
前半は、「~なの? どうしてなの?」と不安な疑問がたくさんあった歌詞ですが、「沈黙のsqueal」があり、心が壊れる(ガラスが割れる音)後からは、「~だ。 ~さ。」と断定的なフレーズに変わります。
前半と後半で、彼の気持ちが切り替わっているのがわかります。

ただ、その切り替えは、けしてポジティブなものではなく、「心の痛みを伴い、危険なものを持ち出して、今、君の元に走る」ほどの、渇望した想いに変わってしまっています。
ある意味、”ストーカー誕生の瞬間”を歌ったような歌なのです。

このあとどんな修羅場が起こるのか?は、
聴く人の想像にゆだねられて曲は終わります。

情感豊かに歌うのが上手な大野君。
いつも曲のストーリーに合わせて、色々な表情をつくります。
この曲もしかり。
彼女の裏切りを感じ、狂気に堕ちてゆく主人公を苦し気に演じています。
あの大野君の雄たけび。
人の心が張り裂けるシーンの「Yeah!」だったんですね。
なるほど、切ない声です。

※この記事は過去の記事を修正し、再掲載しています。
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by 503carryon | 2014-04-25 01:26 | One | Comments(15)
Commented by 詩音 at 2014-04-25 14:49 x
ずっとrainを聞いてて意味がよく分からなかったので、解説を密かに待ってました笑

すごい分かりやすくて更新される度に見てます!
これからも頑張ってください!
Commented by omu at 2014-04-25 18:52 x
“ストーカー誕生の歌”とか。笑

すごいツボります!(^w^)

でも…リーダーにだったらストーカーされたいです。笑(^_^;)これくらい求められたいです!!笑

「yeah!!」って喜んでるんじゃなくて、泣いてるんですね!何か…可哀想な人ですね。(>_<)
Commented by 503carryon at 2014-04-26 00:36
詩音さん:問題はこの解説があっている保証がないのです。笑 
Commented by 503carryon at 2014-04-26 00:37
omuさん:危険な何かを持って走りだしたので、もしかしたら、怨恨による殺傷かもしれません。ドラマになりそう。こういうシリアスな役の大野君もそろそろ見たいですけどね。
Commented by sato*aya at 2014-04-26 13:53 x
危ない物をナイフだとして…ストーカー誕生orヤンデレ化したのかもしれませんね(笑)
いつもいつも大野さんには脱帽です、、、(笑)
Commented by 詩音 at 2014-04-26 20:31 x
いやいや!

すごく説得力ありますよ♪
Commented by はなこ at 2014-04-27 00:02 x
大野さんのイェーイは、そんな切ない雄叫びだったとは、なかなか、深い訳ですね。
キレキレのステップが、印象的で、さすが、リーダーと見惚れてしまってました。
二十代前半の男性ホルモンが、あふれちゃった感じ、ちょっと、最近、落ち着いてきて、おじいちゃん化を心配されたりしてるので、思い出して、もらいましょうかね(*^_^*)
Commented by moon at 2014-04-27 03:17 x
彼女が彼に愛情をちゃんと…と言いましょうか(^_^;)注いでいたら、起こらなかった事なのかなぁ、なんて思います(^^;)

きっと色々あるんだろうと思うけれど、それ程彼女が好きなんだろうな、と思いました。
Commented by 503carryon at 2014-04-27 22:53
sato*ayaさん:ヤンデレだと、ずいぶんスプラッターな結末が待ってそうですね。映画にでもしてほしいような、曲です。
Commented by 503carryon at 2014-04-27 22:54
はなこさん:そうですね。この曲を踊っている頃は、なんかあふれでちゃってましたね。大人の目で見ると、すいぶんやんちゃに遊んでそうな感じ。有名になって最近はずいぶん落ち着いたという感じかもしれません。
色々な経験を経ての、いまのおじいちゃんなんでしょうね。w
Commented by 503carryon at 2014-04-27 22:57
moonさん:なるほど。深いですね。裏切られたのではなく、彼女が裏切るような結果を招いたのは、彼にも責任があったということか。いずれにしても、長い時間をかけて歪んだ愛憎という感じがします。
Commented by ななみ at 2014-10-11 18:13 x
いつもcarryonさんの曲解説をみて、なるほど‼︎あっ。こうゆうことだったのか‼︎と、とても楽しませて貰っています。また、あまり聴いていなかった曲の新たな魅力が発見できたり、このブログにはとてもお世話になっています。ありがとうございます(^^)だいぶ前に、DearSnowの解説を見たときは切なくて、でも素敵で思わず涙が溢れてきました。今回のRainは、私もこの主人公はストーカーみたいで怖いなぁ、って思っていました(笑)君の香りがそう頼りだったり、一人危ない目で走り出すだったり、ましてはキケンなものまで持ち出して、、、とても、おぞましい彼ですよね。。こっちが気持ちを無くしている中で、彼の方は静かに狂っていて、、、ですが、彼がいるのにもう一人の彼氏と遊んで、しかも彼には好きだと言う女も女で悪いよ‼︎なんて、少々感情移入しすぎてしまいました(笑)
ソロの時の智くんは、普段と全く違っていて、ふにゃふにゃ笑っている癒し系ではない、男の、しかも怖くて近寄り難い雰囲気を纏っている人で、観ていてたまに怖くなる時があります。でもその怖さになぜか惹きつけられて、息を飲む。ってこの事かなぁと毎回思わされます。
突然の拙い文章、長文失礼しました。。
Commented by 503carryon at 2014-10-15 23:20
ななみさん:「静かに狂う」という感じ、そういう感じしますね。深い事情がありそうなドラマティックな曲です。大野君の魅力は、あの穏やかで、かわいい雰囲気の中で、突然予告なく登場する独特な男くささ。 え?そんな顔するの? って思う意外性。 この曲も普段とちがってかっこいいですよね。w
Commented by 静奈 at 2015-04-25 15:20 x
はじめまして。静奈(しずな)といいます。
Rain以外の独断解説も拝見しました。
一番グッときたのがRainでしたので、こちらにコメントをさせていただきます!
色々読ませて頂いたのですが、私と同じ解釈、違った解釈、様々で読んでいて深く考えさせられるものばかりでした。
共感を覚えるものもあり、自分の感覚と重ね合わせたり比較してみたり、などと、その曲を聴きながら思いに耽っていました。
改めて考えると曲、言葉っていうのは本当に難しいかつ素敵なものだなと思います!
これからの更新も楽しみにしています。
長々とお邪魔してしまいごめんなさい…
Commented by 503carryon at 2015-05-11 23:14
静奈さん:コメントありがとうございます。歌詞は、色々な受け取り方ができるものが多いので、意訳してからも、「やっぱりこういう意味かな?」と迷うことも多いです。
歌詞をかいた人に、答え合わせしてほしいですw

嵐の歌詞を勝手に読み込みます。検索欄に曲名をいれると過去の記事がでてきます。なお現在はリクエストをお受けしていません。感想コメントはどなたでも大歓迎です。お気軽にコメントしてください。※記事の無断転載はお断りします。
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